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『100年前の世界一周』読みました [今日のつぶやき(books)]

「旅」という雑誌が図書館にあって、そのどこかの号の書評に載っていた本。
書評を読んだときには図書館にはなかったのですが、先日検索したらあったので借りて見ました。

一〇〇年前の世界一周 ある青年の撮った日本と世界

一〇〇年前の世界一周 ある青年の撮った日本と世界

  • 作者: ボリス・マルタン
  • 出版社/メーカー: 日経ナショナルジオグラフィック社
  • 発売日: 2009/11/26
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)


100年前の1905年、1年をかけてドイツ人の青年がアメリカ大陸~日本、中国、アジアを旅して撮った写真の数々。
100年前にも高層ビルがあったニューヨーク、これからの大陸という希望に満ちていたアメリカ。
閉塞感漂うヨーロッパから渡った作者は、この新しい気運あふれる国で、目を開かれて行っている。
大自然の雄大さは今も変わらないけれど、今のアメリカはこの頃のヨーロッパのような閉塞感があって、100年も立てば随分と変わることが感じられる。

もちろん日本もそれは同じで、日露戦争に勝って大陸に侵出しようとしていたこの頃の日本は、明るくいきいきとした印象を作者に残している。
昔ながらの生活様式が残っていてエキゾチズムに満ちた国として沢山の写真を撮っている。
芸者や舞妓、おいらんが日常的にいた時代。

発展はしたけれど、閉塞感のある現在の日本とは随分違うものだと思う。
でも女性が自分の意思で働いたり、結婚できなかった時代でもあるわけで、昔がいいなんてやっぱり思えない。
ただ、畳の日本間に掛け軸と生け花が装飾であったこの時代のほうが、美意識は高かったんじゃないかと思う。

旅人に強烈な印象を残すという意味では、インドはこの100年前も今も変わっていないようだ。
自分では行ったことはないけれど、沢山の人の旅行記からインドは特別な印象を残す国みたいなので。
バラナシのガンジス川での沐浴風景の写真がこの旅行記にもあるけれど、現代の旅行記の写真と違っているのは、100年前のほうが人々がスリムなことくらい。
インドはそれだけ生きるパワーにあふれてる国ということなのかも。

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