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角幡唯介さんの本読みました [今日のつぶやき(books)]

読み貯めた(?)本のレビューを引き続き。

高野秀行さんの早稲田大学探検部後輩、第8回 開高健ノンフィクション賞、第42回大宅壮一ノンフィクション賞受賞ということで読んだ本。
空白の五マイル チベット、世界最大のツアンポー峡谷に挑む

空白の五マイル チベット、世界最大のツアンポー峡谷に挑む

  • 作者: 角幡 唯介
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2010/11/17
  • メディア: 単行本

面白い。ノンフィクションでページの先が気になる本は初めてでした。
図書館で借りたのですが、2回読み返してから返却しました。
GoogleEarthがあり、今や未踏の「探検できる場所」なぞほぼ無くなっている中で、「空白」とされるチベットはツアンポー峡谷を探検した記録。
日本とはスケールの違う険しい峡谷の厳しい行程。踏み出した一歩が命の危険に関わるかもしれない環境。
危機的な飢餓。希望と落胆。著者が本を出版しているのだから、無事帰還したに決まっているとは思っても先が気になる。
どうしてこんな大変なことをやり遂げたいと思うのだろう。。。
探険とは隣り合わせの死を意識しているからこそ、本物の探検なのだ、というようなことがあとがきにあったけれど、読者もそこに引き込まれてしまうのだと思う。

早速次が読みたくなって、借りたのはこれ。
雪男は向こうからやって来た

雪男は向こうからやって来た

  • 作者: 角幡 唯介
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2011/08/26
  • メディア: 単行本

雪男、ヒマラヤのイエティを追いかけて亡くなった日本人探険家や、有名登山家である目撃者への取材、実際にヒマラヤでの探索などから、雪男と呼ばれる者がなんであったのかを解いている。
「空白の5マイル」ほどの冒険ではないけれど、「実際にそこに行ってみる、体験してみる」ことを大事にしているので、雪崩に巻き込まれて亡くなった探険家はそのときそこで何があり、何を見、何を感じていたのだろうという想像がリアリティを持って感じられる。

過去の探検家の綿密な調査、取材、そして何よりもその探検家の行った場所を体験してのルポルタージュ。
この著者らしい冒険スタイルは、最新刊でももっと明確に打ち出されている。
アグルーカの行方 129人全員死亡、フランクリン隊が見た北極

アグルーカの行方 129人全員死亡、フランクリン隊が見た北極

  • 作者: 角幡 唯介
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2012/09/26
  • メディア: 単行本

北極の雪原をソリを曳いて何百kmも歩くという、本格的な冒険を行っている。
口唇ヘルペスが悪化して、血がつららになった写真はなかなか壮絶でした。
フランクリン隊の生き残りが、食料のある船に向かわず、なぜ川を遡っていったのか、という疑問に対する考察は、実際に歩いたからこそ導き出せたものなんだなと思う。
130年前の北極探検隊の旅は、予想した通りとはいえ壮絶で衝撃でした。

↑の前に出版された初エッセイ本も読みました。
探検家、36歳の憂鬱

探検家、36歳の憂鬱

  • 作者: 角幡 唯介
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2012/07/21
  • メディア: 単行本

ほんと文章力のある人です。ブログで見た文章もあったけど、ユーモアもあるしどれも読ませます。
「合コンでモテない話」には、こんな人を彼氏にでも持ったら心配で大変だろうなと思った。

ブログを見るとまた北極に行っている様子。
ブログのタイトルは3回雪崩にあって生還したことからついてるらしいけれど、ほんと幸運な人なんだな。
角幡さんが探検にでなければハラハラするノンフィションには読めないけれど、危険な目にあって本が読めないのも困るので、無事に帰ってきてまた面白い本を書いて欲しいもんです。

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