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『「遺された者こそ喰らえ」とトォン師は言った』読みました [今日のつぶやき(books)]

最近借りた本。タイ山岳民族の村に暮らす日本人の話。
東南アジア関連の書棚にあったので、少数民族の暮らしがわかるかな、と思い手にとって見ました。

「遺された者こそ喰らえ」とトォン師は言った: タイ山岳民族カレンの村で

「遺された者こそ喰らえ」とトォン師は言った: タイ山岳民族カレンの村で

  • 作者: 吉田 清
  • 出版社/メーカー: 晶文社
  • 発売日: 2012/04/06
  • メディア: 単行本



が、印象に残ったのは、著者が亡くなった奥さんの闘病生活で躁うつ病を患ってしまったことと今の奥さん(タイの山岳民族)に出会ったことから、少しずつ暮らしを取り戻していく様子でした。
淡々と書かれてあったけど、病気の看病のつらさや奥さんを亡くしたことの喪失感などは相当なものだったのだろうな。自分でもいつかそんな事態がおこるかもしれないだけに、ちょっと身にしみました。
元気でバイタリティのある年下の奥さんと出会ったことで、この著者が癒されていく部分があったというのは、近藤紘一氏が最初の奥さんを亡くしたあとに出会った「ダリアのような」笑顔のナウさんに惹かれていくのと、どこか共通するものがあるのかもと思って読んでいました。

タイ山岳民族の村の暮らしは、日本人とは考え方や習慣の違いから、衝突することも多いけれど、「生きていく」ということにとてもシンプルで気づかされることが多い、と著者は書いている。

なんだかいろんなものを背負い込んで、生きづらさを抱えている多くの日本人。
タイの山岳地帯まで行かないまでも、日本を脱出してしか、背負い込んだものを捨てられないのかもしれません。

本のタイトルは「死んだ者は、遺された者が悲しんで食べないでいることを望んでいるだろうか?
そではない、遺された者に生きて欲しいと願っているはずだ。だから遺された者は食べなけばならない」という放浪修行僧トォン師の言葉だそうだ。

なんとなく手にした本ではありましたが、ちょっと心に引っかかるノンフィクションとなりました。

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