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実家の片づけ~時代物漆器の行方 [農家実家の片付け]

1.行く末に悩む塗り物

実家の車庫の2階にあった時代物の塗り物。数十年前に取り壊した蔵にしまわれていたものです。
2年前のこの記事で、

  実家の片付け~難関の作業小屋(3)

「明治25年と箱に書かれていた塗りのお膳とお重もありましたが、塗り物はニーズが無いそうです。」
と古道具買取について書いています。

ニーズが無いとは言え、やはり塗り物漆器はツヤがあってとてもきれいです。
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このお膳は明治25年と書かれた木箱に5揃い入っています。
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箱に書かれた通り明治時代のものなのかどうかはわかりませんが、昔の職人さんが手作業で作ったものでしょう。
軽くて薄くて、漆でつやつやしていて、このお膳で宴会をしていた何十年も前のにぎやかな様子を想像してしまいます。
お膳に割れやお椀の欠けがあるものもありますが、状態のいいものもあります。

こちらは金で蒔絵が施されており、とても華やかです。
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20客ありますが、状態のいいものは数客、他は塗が補修されていたり、剥げたままになっていたり。
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良いものは値段がつくかもしれないですが、他はどうしよう、、、と特に悩んでしまいました。
塗師になりたい人がいたら、練習に使ったりできるのでは?とか考えていました。

できれば使う人のもとに届けたい、でも別の古道具屋さんにあたってみるのもハードル高い、自分で少し使うという手もある、、、と悩んでそのままになっていました。
実家は他にもまだまだ片付けること、やることが沢山あったのです。
ただ、箱を見るたびに行く末をどうしたものかと気になっていました。


2.探すならやはりネット

妹にも要らないか聞いてみましたが、「貰うとしても数客」という返事。
どこも事情は同じです。

あとはやっぱり、フリマサイトか。
そう思い時々メルカリで塗り物の出品などを見ていました。
売れているものもあるので、引き受けてくれる人を探すにはやっぱりネットだなと思い至ったのが去年くらいのことです。

ニーズが少ないとは言え、無料で出品してぞんざいな扱いをされるのは本望ではありません。
安いかもしれないけど、それなりの金額を払っても欲しいと思ってくれる人(=大事に使ってくれそうな人)に届けばいいなと思い、フリマサイトに出品しました。

一番数があってシンプルなこの黒い塗椀の揃い。お食い初めなどで使うこともあるようなのでどうかと。
nurimono2.JPG

そうすぐに引き合いは無いだろうと思っていましたが、1年余りたっても欲しいという人は現れませんでした。
この手のものは、値段を下げてもあまり効果はないことが過去の経験からわかっていましたので、数年はこのままにして様子を見ようかと思っていました。


3.見つかった引受先

この秋涼しくなって片づけスイッチが入り、また不用品を少しづつフリマサイトに出品していました。
そうやって出品したものと一緒に、塗り物のお膳も欲しいという方が現れました。

その方は「他にもあれば見せてもらいたい」と言っていたので、出品していない塗り物も見てもらいました。
あの金蒔絵のお椀も見てもらうと「これはおいくらになるんですか?」と!

なかなか塗り物は欲しい人がいないものなので、どうされるのか聞いてみたら、旦那様はご実家が塗師さんなので「このくらいの修理はできてしまう」とのこと!

一揃いでも引き取ってもらればと思っていたのに、これ以上うってつけの引き取り手はないという方が現れたのです!
格安でお譲りすることにしました。

漆は東京と金沢でしか売っていないので買いに行くんですよ~と、なかなか普通では知らないことを教えていただきました。


お膳5揃いと蒔絵の椀20客を引き取ってもらって、私としては大満足でした。
やはり、ネットなら引き受けてもらうべき人のところに届くのですね。

残りの塗り物も気長に欲しい人のところに届くのを待とうと思います。
どうぞ良さを分かって下さる方とご縁がありますように!

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